本記事には一部PRを含みます
ピボットは“使える”のか? R1/S1・R2/S2の逆張り、R3/S3の順張りを6か月×3時間足でEA検証
海外ではメジャーなピボット(R3/R2/R1/PP/S1/S2/S3)。シンプルな3ルールをEA化し、5分/15分/60分足でドル円をテスト。結果と“裁量での使い所/見送り所”を、数字と具体シナリオで整理します。
- ピボットの基本と3つの売買ルール(逆張り2・順張り1)
- 6か月×3時間足のEA検証設計と結果
- なぜ負けやすいのか:ノイズ・到達順序・スプレッドの観点
- 勝ち筋を作るための併用インジと具体ルール
- ピボットを「エントリーの根拠」ではなく「やらない場面のフィルタ」として使う考え方
ピボットの基礎(R/SとPPの関係)
ピボットは、前日の値動きからその日の「おおまかな攻防ライン」を描き出す指標です。
- PP:その日の「中心価格」イメージ。上で推移 → 買い優勢/下で推移 → 売り優勢。
- R1/R2/R3:上側のレジスタンス候補。数字が大きいほど「伸びきりゾーン」のイメージ。
- S1/S2/S3:下側のサポート候補。
一般にはR1/S1やR2/S2での反転(逆張り)、R3/S3でのブレイク継続(順張り)が語られます。ただし“到達の文脈”と“時間帯の流動性”を外すと、統計的に不利になりがちです。
検証ルール(3パターン)と条件
- 逆張り①:R1超えで売り/S1割れで買い
- 逆張り②:R2超えで売り/S2割れで買い
- 順張り③:R3超えで買い/S3割れで売り
- 通貨ペア:ドル円(USD/JPY)
- 期間:2020/06/01〜2020/11/30(6か月/MT4ヒストリカル)
- 時間足:5分/15分/60分
- スプレッド:1pips、スリッページ:3pips
- TP=30pips、SL=30pips(固定)
- 適用価格:R側は高値、S側は安値
- ロット:0.1(※損益はロット依存)
・パラメータ最適化前の「素のピボット×固定TP/SL」の癖を見るステップです。
・「どこで戦うか」より先に「どこを封印するか」を決めるための足切り検証というイメージで読んでみてください。
結果(結論ファースト)
逆張り①/②(R1/S1・R2/S2)は全般的にマイナス。
順張り③(R3/S3)は60分足でのみプラスですが、スプレッド回収レベルで安定性は弱めです。
6か月トータル損益サマリ(TP/SL各30pips・ロット0.1想定)
| ロジック | 5分足 | 15分足 | 60分足 |
|---|---|---|---|
| 逆張り①(R1/S1) | −121,283円 | −111,949円 | −54,264円 |
| 逆張り②(R2/S2) | −97,715円 | −59,878円 | −59,646円 |
| 順張り③(R3/S3) | −3,164円 | −42,596円 | +20,277円 |
※あくまでドル円・対象期間での一例です。通貨・期間が変われば結果も変化します。
逆張り①:R1/S1
総括:5分足−121,283円/15分足−111,949円/60分足−54,264円(いずれも損失)。
ノイズ優位の時間帯で“最初に触れるR/S”に逆張りするのは、押し戻しの途中で掴むケースが多く不利です。
「朝イチでPPからR1まで一気に上昇 → R1にタッチしたから売り」というパターンは、そのままR2/R3まで伸びて焼かれる典型例になりがちです。
逆張り②:R2/S2
総括:5分足−97,715円/15分足−59,878円/60分足−59,646円(いずれも損失)。
R2/S2は「さすがに行き過ぎ」のイメージが強く、逆張りしたくなるゾーンですが、到達時点ではすでに勢いが乗っていることが多く、「トレンド本体」に逆らう形になりやすいです。
また、R1→PP→R2といった形で一度押し・戻りを挟んで到達したかなど、「到達までの経路」を見ないと誤判定しやすくなります。
順張り③:R3/S3
総括:5分足−3,164円/15分足−42,596円/60分足+20,277円。
60分足のみ僅かにプラスですが、スプ回収レベルで優位性は強くありません。
ただし、R3/S3に到達する局面はそもそも「トレンドがかなり走っている日」が多く、BB×MACDなどで勢いの継続を確認すれば、裁量順張りの候補にはなり得ると感じました。
なぜ不利になりやすい?(3つの要因)
- 到達順序の問題:最初に触れたR/Sで即反転するケースは少数派。
一度R1に触れてからPP近辺まで押して、再度R1/R2を試す…といった「基準波形」を待たないと、逆行の一撃で刈られやすいです。 - 時間帯と流動性:東京・ロンドン・NYで反応が異なります。
ロンドン序盤の本格的なブレイクと、NYクローズ間際の薄い板でのヒゲを同列に扱うと、閑散帯の“無意味なタッチ”で無駄打ちが増えます。 - コストの影響:短時間での攻防はスプレッド比率が高く、期待値が削られます。
±数pipsの押し戻しで利確を狙うようなトレードは、スプレッドとスリッページでほぼ消えると考えた方が安全です。
・前日レンジ→東京時間もPP周辺をウロウロ→ロンドンで一気にブレイクしてR2/R3へ。
このような日は、東京〜ロンドン序盤のR1逆張りがひたすら焼かれ、R3順張りだけが報われる、という構図になりがちです。
- RSIダイバージェンス:R2/S2到達+反転質シグナルでのみ逆張り許可。明確なダイバなしの逆張りは「そもそも打たない」。
- BB×MACD:バンド拡張+MACD順行でR3/S3ブレイクの順張り強化。「伸びるトレンドの日だけ」乗りにいく。
- MACD×CCI:勢い×戻りの同時判定で“押し目/戻り待ち”を明確化。ピボットは「利確候補ライン」として使う。
- Stochastic RSI:再クロスで部分利確or建値調整。R2/R3手前での利確判断に活用。
- ローソク足カウントダウン:確定足エントリーを徹底し、「触れた瞬間の成行」フライング負けを抑制。
- MACDライン表示(無料):ヒストグラム→ラインで検証の再現性を上げ、同条件のチャート検証をしやすくする。
次の一手:自分の環境で“ミニ検証”するなら
- よく触る通貨ペアを1〜2つだけ選ぶ(例:ドル円+ユーロドル)。
- 時間足を60分足中心にし、5分・15分はまずは封印してみる。
- 過去3か月分だけでも良いので、R2/S2・R3/S3に到達した日のチャートを、RSIダイバやBB×MACDとセットで見返す。
- 「逆張りが機能した日」と「順張りが機能した日」をそれぞれ5〜10例ピックアップし、共通条件(時間帯・波形・モメンタム)をノート化する。
- その共通条件だけを満たした場面で、デモor超小ロットで試してみる。
まとめ:ピボット単体は厳しい。到達文脈×フィルタで使う
R1/S1・R2/S2の逆張りは統計的に不利、R3/S3順張りも単体では薄利。
データで見ると、「ラインに触れたから売り/買い」だけでは期待値を取りづらいことが分かります。
- ピボットは「今日どこまで伸びると行き過ぎか」の目安として眺める。
- エントリーの主役は、反転質や勢いの持続など、他のインジやプライスアクションに任せる。
- ピボット単体で「当てに行く」のではなく、「ここでは逆張りしない」「ここまで伸びたら一部利確」といったルールに落とし込む。
そのうえで、自分のスタイル・通貨ペア・時間帯に合わせて、少数の“勝ちパターン”だけ残していくイメージで使っていくと、ピボットはようやく味方になってくれます。
免責:本記事は情報提供を目的とした一般的な解説です。特定の通貨ペア・手法での利益を保証するものではありません。必ずデモ口座や小ロットから、自身の環境で再現性をご確認ください。