含み損になると、最初に決めた損切り位置を、ほんの少しだけ遠くしたくなることがあります。「もう少し待てば戻るかも」。その一言で、線がじわじわ動いていく。
逆に、少し含み益になると、今度は早く確定したくなる。「消える前に取っておきたい」。こちらも、その瞬間はちゃんと理由があるように見えます。
損切りは遠くしたくなる。利確は早くしたくなる。だから、入ったあとに、最初の予定が少しずつズレていきます。そして負けたあと、最初にどこまで見るつもりだったのか、自分でも分からなくなる。
損切り・利確位置は、未来を当てるための線ではありません。入る前に「どこで見立てが外れたと見るか」「どこまで取るつもりだったか」を置いておき、あとで入る前の自分と入った後の自分を比べるための線です。この記事は、その線の置き方と使い方の話です。
ミカ損切り位置を決めても、近づいてくると「もう少し待てば戻るかも」って思っちゃうんですよね。逆に、少し含み益になると早く利確したくなる。最初に決めた位置、結局あまり守れてないかも。
るなまる分かります。含み損は戻ってほしいし、含み益は消える前に取りたくなるんですよね。だから、意志の強さだけで守ろうとすると、けっこうしんどいです。損切りと利確の位置は、完璧に当てるためというより、あとで「最初の予定からどこがズレたか」を見るために置く、くらいで考えると続けやすくなりますよ。
損切り幅と数量を別々に決めない
次は考え方を示す仮例です。150.00円でロングを検討し、根拠にした直近安値が149.70円なら、その安値を割る場面は根拠が崩れる候補です。固定幅だけで149.90円へ置けば、通常の揺れで根拠が残ったまま決済される場合があります。
ATRは最近の値幅を表しますが、方向や反転位置は示しません。ATRが大きい局面で損切り幅を広げるなら、許容損失を超えないよう数量を下げる必要があります。
先に根拠が崩れる位置を決め、エントリー価格との差を測ります。その幅に合わせて数量を計算し、特定のpips数を一律に推奨しません。
損切り・利確位置は、未来を当てる線ではない
損切り位置を「負けを確定させる線」だと思うと、できるだけ遠くに置きたくなります。利確位置を「ここまで取れたら勝ち」と思うと、少しでも含み益が出た時点で取りたくなる。どちらも自然な気持ちです。
でも、線の役割を少しずらして考えると楽になります。損切り位置は、負けを決める線ではなく、「この見立ては違った」と自分で認めるための場所。利確位置は、欲張る場所ではなく、「自分はどこまで見ていたのか」をあとで比べるための目安です。
当てる必要はありません。入る前に一度置いておくと、終わったあとに「予定通りだったのか、途中で気持ちに引っ張られたのか」を、自分の目で見られます。
入ったあとに位置を変えると、あとから原因が分からなくなる
いちばん困るのは、損切りも利確も、その場の気分で動かしてしまうことです。動かすこと自体が悪いわけではありません。困るのは、動かした記録が残っていないと、負けたあとに原因を分けられないことです。
損切り位置をあとからずらすと、「予定通りの負け」だったのか、「戻ってほしくて粘った負け」だったのかが、混ざってしまいます。利確を毎回早めると、最初にどこまで狙っていたのかが見えなくなる。
だからこそ、入る前に置いた線を残しておきます。線そのものより、「入る前の自分が何を見ていたか」が、あとで効いてきます。
2,000円・4,000円の予定が、6,000円・1,500円にズレる
数字にすると、ズレの重さが見えてきます。
予定と実際が、いつの間にか入れ替わる
- 入る前の予定:損切り2,000円 / 利確4,000円
- 含み損になって:「もう少し戻るかも」で損切りを6,000円まで広げた
- 含み益になって:「消える前に」で1,500円で早く利確した
頭の中では「リスクリワードを考えている」つもりでも、実際は、負けるときは6,000円、勝つときは1,500円になっています。これが続くと、勝ち負けの回数だけを見ても、資金がなぜ減っているのか分かりにくくなります。
それ以上に困るのは、「最初の見立てが悪かったのか、途中で怖さや欲に引っ張られたのか」が分からなくなることです。原因が分からないと、次に直す場所も決められません。入る前の2,000円・4,000円という線が残っていれば、少なくとも「予定からズレた」という事実だけは、あとで自分の目で見られます。
毎回レシピを変えると、味の原因が分からない
少しだけ、数字を扱う仕事をしている立場からの見方を。
たとえるなら、料理のレシピに近いです。毎回、塩の量も火加減も気分で変えていると、できあがりが微妙だったときに、何が原因だったのか分かりません。塩なのか、火加減なのか、そもそも材料なのか。次にどこを直せばいいかも決まらない。
トレードも同じです。損切りと利確の位置を入ったあとに変え続けると、チャートの読み違いだったのか、途中で怖くなって動かしたのか、欲が出て動かしたのかが、あとで分かれにくくなります。
あとから比べるには、最初に置いた線が要ります。線は当てるためではなく、入る前の自分と、入った後の自分を並べて見るために置きます。
損切り・利確を置く前に見る項目
難しい計算からではなく、入る前に次の項目を一度だけ自分に確認してみてください。
損切り・利確を置く前に見る項目
- 見立てが外れた場所:どこまで来たら、この考えは違ったと見るかを言葉にする
- 直近の高値・安値:その手前なのか、抜けた後なのかを見る
- 利確の候補:どこまで見ていたのかを、一度言葉にしておく
- 許容損失:そこまで待った場合、何円の負けになるかを見る
- 途中で変える条件:どんな理由なら予定を見直すのかを、先に決めておく
全部に答えられなくても大丈夫です。最初は「見立てが外れた場所」と「どこまで見ていたか」の2つだけでも、あとで予定と実際を並べられます。
入る前に一度、線を置いておく
頭の中だけで決めようとすると、含み損や含み益が出ている時ほど、線が動きやすくなります。入る前に、外れた場所と狙う場所を一度だけ置いてみてください。
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損切り・利確位置トレーニングで、入る前に線を置く
これは正解を当てるためのツールではありません。入る前に「どこで見立てが外れたと見るか」「どこまで見ていたか」を一度置き、あとで予定と実際の差を見るための練習です。入力内容は外部送信されません。
取引が終わったら、入る前に置いた線と、実際に決済した場所を並べてみてください。「予定通りだったのか、途中で気持ちに引っ張られたのか」が、自分の目で見えてきます。
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損切り・利確位置は、損切り幅とロット、利確とのバランスを一緒に見ると、自分がどこで予定を変えやすいかが見えてきます。
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よくある質問
損切り位置は近い方がいいですか?
近い・遠いより、チャート上で「ここまで来たら見立てが外れた」と言える場所かどうかが先です。近くても根拠がないと、値動きのゆらぎで触れて終わりやすくなります。
利確は伸ばした方がいいですか?
伸ばす・早めるに正解があるわけではなく、入る前にどこまで見ていたかを決めておくことが先です。決めずに伸ばすと、戻ってきたときに後悔だけが残りやすくなります。
損切り位置を途中で変えてもいいですか?
変えること自体より、変えた理由を残せるかが分かれ目です。「根拠が変わった」なら見直し、「戻ってほしい」なら気持ちに引っ張られた変更。あとで見分けるために、変えた回こそ一言だけ残しておいてください。
利確を早めてしまう場合は、どう見ればいいですか?
早めた回の「そのあとの値動き」も一緒に残してみてください。本当に戻ってきたのか、伸び続けたのかを並べると、自分が消える前に取りたくなるタイプかどうかが見えてきます。
損切り・利確位置トレーニングでは何を見ればいいですか?
当たり外れより、入る前に置いた線と、途中で動かしたくなった瞬間を見てください。動かしたくなった理由を一言にできるかが、次に効きます。
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取引ルールを決めたら、口座条件も確認しておく
損切り幅やロット数、必要証拠金を考えるときは、実際に使う口座の取引単位やスプレッドも関係します。松井証券FXは「100円から」など少額取引に関する案内もあるため、取引条件を公式情報で確認しておくと、あとで迷いにくくなります。
※FX取引には元本割れのリスクがあります。サービス内容や取引条件は、公式情報でご確認ください。
まとめ:線は、当てるためではなく、あとで比べるために置く
含み損は戻ってほしいし、含み益は早く取りたい。その気持ちは自然です。ただ、その場の気分で損切りと利確を動かし続けると、予定通りの負けだったのか、途中で気持ちに引っ張られたのかが、あとで分からなくなります。
損切り位置は「この見立ては違った」と認める場所、利確位置は「どこまで見ていたか」をあとで比べる目安です。入る前に線を置いておくと、勝ち負けだけでは見えない「予定と実際の差」が、自分の目で見えてきます。最初は2つの線だけで十分です。
次の取引の前に、損切り・利確位置トレーニングで、外れた場所と狙う場所を一度置いてみてください。
本記事は、損切り・利確位置の考え方を学習・記録するために整理したものです。実際の取引では損失が出る可能性があるため、資金量とご自身のリスク許容度を確かめたうえで判断してください。
