チャートが動き出すと、「今入らないと置いていかれるかも」と思うことがあります。待つと決めていたはずなのに、少し伸びたローソク足を見ると、手のほうが先に動きそうになる。
その瞬間は、ちゃんと理由があるように見えるんです。でも負けたあとに見返すと、「なんでここで入ったんだっけ」となる。見送ると損した気分になり、入ったあとは入ったあとで、後付けの理由を探してしまう。
見送りは、チャンスを捨てることでも、弱気な判断でもありません。あとから「なぜ入ったのか」を自分で説明できない取引を、少しずつ減らすための判断です。
見送りを残せるようになると、あとから「根拠があって入った場面」と「動いたから手が出ただけの場面」を分けやすくなります。この記事は、その分け方の話です。
タクヤ動いてるのを見ると、見送るのがもったいなく感じるんですよね。待つって決めてたのに、伸びたローソク足を見ると「今入らないと置いていかれる」って思っちゃう。で、あとから見ると、なんで入ったのかよく分からないんです。
るなまる分かります。動いてると、見送るほうが損した感じになるんですよね。でも見送りって逃げじゃなくて、「あとから説明できない取引を減らす」ための判断でもあるんです。全部我慢しなくていいので、入る理由と見送る理由を1つずつ残しておくと、次に同じ場面が来たときに比べられますよ。
方向より先に、見送る条件を置く
次は判断順を示す仮例です。上位足は上向きでも、価格が直近高値のすぐ下にあり、現在の値幅が小さく、スプレッドが広がっているとします。この場面は、上向きだからロングと直結しません。
| 観察 | 候補 |
|---|---|
| 上位足と下位足が同方向で、値幅と位置に余地がある | 方向を検討 |
| 支持・抵抗が近く、損切りと利確の余地が合わない | 見送り |
| スプレッドが通常より広く、注文コストを読めない | 見送り |
ロング・ショートは結論で、環境、現在位置、値幅、コストが観察項目です。条件がそろわないときは、方向を作らず見送ります。
見送りは逃げではなく、あとから説明できない取引を減らす判断
見送ると、その場では損した気分になります。伸びていくチャートを見ながら手元に何も残っていないと、「乗り遅れた」という感覚だけが強くなる。この感覚は自然なものです。
ただ、エントリー判断で本当に見たいのは、「入ったらどうなるか」だけではありません。「入らないと決めた理由を、あとで自分の言葉で説明できるか」も同じくらい効いてきます。
勝ち負けは、その1回ではコントロールできません。でも、入った理由・見送った理由を一言ずつ残すかどうかは、自分で決められます。見送りを判断として残しておくと、あとで「根拠があって入った場面」と「動いたから手が出ただけの場面」が、別のものとして見えてきます。
入る理由より、入らない理由のほうが、あとで効くことがある
多くの人は「どこで入るか」は考えます。でも「どんな形なら入らないか」は、ほとんど決めていません。動いているチャートに引っ張られるのは、たいていこの「入らない条件」が空っぽのときです。
たとえば、「根拠が1つしかないなら、今回は見送る」と先に一言だけ決めておく。すると、伸びたローソク足を見て手が動きそうになったとき、その一文が一瞬だけブレーキになります。我慢の根性ではなく、入る前に立ち止まる場所を1つ用意しておくイメージです。
入ったあとに探す理由は、不思議なくらい自分に都合よく見えます。だからこそ、入る前に決めた「入らない条件」が、あとで自分の取引を見直すときの基準になります。
同じ場面を10回見たら、その内訳を見てみる
似たような場面で、10回チャートを見たとします。中身を分けると、こんなふうになることがあります。
同じ「10回」でも、中身は分かれる
- 3回:根拠が2つ以上あって、入った理由をあとで説明できた
- 4回:「動いたから入った」だけで、理由がうまく言葉にならない
- 3回:見送ったが、あとから見ると根拠が足りていなかった
勝ち負けだけを見ると、たまたま伸びた4回が混ざって、「意外と取れている」ように見えることがあります。でも「なぜ入ったか」「なぜ見送ったか」を残しておくと、自分が手を出しやすい形のほうが先に見えてきます。
金額にすると、もう少しはっきりします。1回2,000円の損切りで済むつもりが、根拠の薄い取引が3回続くと、合計6,000円。つらいのは金額だけではありません。「またやった」という感覚が残って、次の判断が荒れやすくなる。同じ損失でも、そのあとに見るチャートが別物になってしまいます。
入った取引だけ見ると、見送った場面が抜け落ちる
少しだけ、数字を扱う仕事をしている立場からの見方を。
たとえるなら、試験の見直しに近いです。解いた問題だけを見ても、自分がどこで崩れたかは分かりません。飛ばした問題、時間が足りずに適当に選んだ問題、あとから落ち着けば解けた問題を分けて見ると、はじめて「ここで崩れていた」が見えてきます。
トレードも同じです。入った取引だけを並べると、本当は見送った場面との違いがぼやけます。入った理由、見送った理由、あとから見て入らなくてよかった場面、あとから見て入ってもよかった場面を一緒に並べると、自分が焦って手を出しやすい形が見えてきます。
見送りを残すのは、自分を採点するためではなく、あとで取引を並べて見るためです。
入る前に見る項目
難しい書式はいりません。入る前に、次の項目を一度だけ自分に確認してみてください。
入る前に見る項目
- 上位足:今見ている方向と、上位足が逆になっていないかを見る
- 根拠の数:ローソク足だけ、雰囲気だけになっていないかを見る
- 損切り位置:外れたと判断する場所を、先に一言で言えるかを見る
- 見送り条件:どんな形なら入らないかを、先に決めているかを見る
- あとから説明:なぜ入ったかを、一文で残せるかを見る
全部にはっきり答えられない回は、無理に入らず見送り側に寄せておくと、あとで比べやすくなります。最初は「損切り位置」と「見送り条件」の2つだけでも十分です。
動いているチャートに引っ張られる前に、一度止まる
頭の中だけで決めようとすると、動いている時ほど判断が甘くなりがちです。入る理由と見送る理由を、一度だけ手元で並べてみてください。
無料・登録不要・ブラウザで使える・外部送信なし
エントリー or 見送り判断シミュレーターで、見送る理由も言葉にする
これは「入る練習」だけのツールではありません。見送る理由を言葉にする練習にも使えます。動いているチャートに引っ張られる前に、入る理由と見送る理由を一度並べてみてください。入力内容は外部送信されません。
練習でも本番でも、入った理由と見送った理由を一言ずつ残しておくと、次に同じ場面が来たときに、前回の自分と比べられます。
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見送り判断は、損切り位置や取引後のメモと一緒に見ると、自分が手を出しやすい場面が見えてきます。
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よくある質問
見送りが多いと、チャンスを逃しませんか?
逃したように見える場面の多くは、根拠が1つしかなかった回です。見送ったあとに伸びたかどうかも一緒に残しておくと、本当に取れた場面だったのか、それともたまたま伸びただけかを、あとで自分の目で確かめられます。
根拠が1つだけでも入っていいですか?
ダメというより、1つだけのときは損切り位置を先に言えるかで分けます。言えないなら、その回は見送り側に寄せておくと、あとで「手が出ただけの場面」と区別できます。
見送ったあとに伸びたら、どう考えればいいですか?
「やっぱり入ればよかった」で終わらせず、もし入っていたら損切り位置はどこだったかまで見てみてください。伸びた事実より、入る根拠があったかどうかが次に効きます。根拠がないのに伸びた回は、再現しにくい場面です。
見送り判断を記録する意味はありますか?
入った取引だけだと、自分が焦って手を出す形が見えません。見送りも残すと、手が出やすい時間帯や、つい乗ってしまうローソク足の形が、だんだん見えてきます。
シミュレーターでは何を見ればいいですか?
当たり外れより、入る理由と見送る理由を毎回1つずつ言葉にできるかを見てください。言葉にできなかった回が、あとから説明できない取引になりやすい場面です。
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チャートを見たあと、取引環境も確認しておく
相場環境やエントリー判断を整理しても、実際の取引ではスプレッド、取引単位、注文画面、スマホアプリなどの条件も関係します。松井証券FXは「100円から」など少額取引に関する案内もあるため、公式情報で取引条件を確認しておくと、あとで迷いにくくなります。
※FX取引には元本割れのリスクがあります。サービス内容や取引条件は、公式情報でご確認ください。
まとめ:見送りは、比べられる取引だけを残すための判断
動いているチャートを見ると、見送るのがもったいなく感じます。その気持ちは自然です。ただ、勝ち負けだけを見ていると、たまたま伸びた回が混ざって、自分が手を出しやすい場面が見えなくなります。
見送りは、チャンスを捨てることでも弱気な判断でもなく、あとから「なぜ入ったのか」を説明できない取引を減らすための判断です。入る理由と見送る理由を一言ずつ残すと、次に同じ場面が来たときに比べられる取引だけが手元に残っていきます。
動いているチャートに引っ張られる前に、エントリー or 見送り判断シミュレーターで、入る理由と見送る理由を一度並べてみてください。
本記事は、エントリーや見送り判断を学習・記録するための考え方を整理したものです。実際の取引では損失が出る可能性があるため、資金量とご自身のリスク許容度を確かめたうえで判断してください。
