月曜朝の窓埋めは本当に有利?マンデーギャップをドル円データで検証

月曜の窓埋めをUSDJPYの長期データで検証し、買い平均と売り平均を比較したアイキャッチ画像 統計トレード攻略
統計トレード攻略

月曜朝の窓埋めは、FXでよく知られた相場の話題です。ただ、窓ができやすいことと、そのあとに逆張りで利益が残ることは同じではありません。今回はドル円5分足の820,078バーを使い、月曜朝の窓を単純に逆張りしたときの結果を確認しました。

先に結論

  • 2015年〜2025年のドル円M5データで、月曜朝の窓を逆張りした結果を見ました。
  • 買いは-3.05 pips、売りは+0.32 pipsで、どちらも有意な優位は確認できませんでした。
  • 固定0.5pipsを入れた段階でもこの結果なので、そのまま売買ルールにするには弱い数字です。
みか

みか

月曜の朝って、窓ができたあとに戻りやすいってよく聞くよね。だったら逆張りで取りやすいのかな。

たくや

たくや

ぼくも『窓が埋まるなら勝てそう』と思っていました。でも、戻ることと利益が残ることって同じなんですかね。

るなまる

るなまる

そこは分けて見たいところです。今回は月曜朝の窓を単純に逆張りしたあと、1回あたりの平均損益が本当に残ったかを確認します。

月曜朝の窓埋めは本当に有利なのか

今回の結論はシンプルです。月曜朝の窓を、そのまま逆張りしただけでは、平均で残る優位は確認できませんでした。

買いは平均でマイナス、売りはわずかにプラスでしたが、どちらも偶然のブレと区別できるほどの差ではありません。つまり「窓が見える」と「トレードで勝てる」は別です。

この記事でいちばん伝えたいこと

月曜朝の窓を見るときは、印象より先に、平均損益・回数・コスト・出口の条件をそろえて確認したいです。

マンデーギャップと窓埋めとは?

月曜朝の「窓」とは、週末をまたいだことで、金曜の終値と月曜の始値のあいだにできる価格差のことです。

「窓埋め」は、その価格差が元の水準に戻るように動くことを指します。ただし、窓が埋まった場面があることと、逆張りで平均利益が残ることは別なので、今回は後者を数字で見ています。

週明けの窓を戻ると見て反対方向に入り、その後の平均リターンを見る検証ルールの流れ図
図1: 月曜朝の窓を逆張りし、その後24本でどうなったかを集計した流れです。
たくや

たくや

窓が埋まった場面だけ印象に残って、伸びた失敗の方は忘れやすいのかもしれません。

るなまる

るなまる

そうなんです。今回は『何%埋まったか』ではなく、固定コストを入れたあとに平均で何pips残ったかを見ています。

みか

みか

つまり、見た目の分かりやすさより先に、1回あたりの数字を見るってことだね。

今回の検証条件

今回は目立つ事例だけを見るのではなく、条件を固定したうえで、11年分のドル円データをまとめて集計しました。

通貨ペア

USDJPY(参考としてEURJPYも別集計あり)

時間足

M5(5分足)

期間

2015-01-01 22:00〜2025-12-31 21:55

時間の基準

GMTベース

データソース

TDS系OHLCデータ

データ量

820,078バー

月曜朝の定義

月曜 00:00 の5分足

金曜終値の取り方

直前に見つかる金曜バーの終値

月曜始値の取り方

月曜 00:00 バーの始値

窓の定義

月曜始値−金曜終値の差が3pips超

売買の向き

上窓は売り、下窓は買いの逆張り

エントリー

シグナルの次の5分足始値

決済

24本後の終値で固定決済

損切り・利確

今回の平均損益集計では個別設定なし

時間切れ決済

あり(24本後の固定決済)

固定コスト

0.5pipsをエントリー価格へ反映

見ていないもの

窓埋め率、変動スプレッド、滑り、手数料、約定拒否

USDJPY・M5・2015-2025年・820,078バーを集計した検証条件をまとめた図
図2: 今回の検証条件。11年分のM5データを同じルールでまとめて見ています。

検証結果|単純な逆張りで平均損益は残った?

結果は、買いが-3.05 pips(N=169, p=0.1053)、売りが+0.32 pips(N=286, p=0.7861)でした。どちらも統計的に有意な差とは言えません。

参考として、EURJPYの買い側も平均 -2.73pips で有意ではありませんでした。通貨を変えても、単純な逆張りだけで明確に勝てる形は見えていません。

マンデーギャップの買いと売りの平均リターンを比べた図
図3: 買いも売りも、固定0.5pipsを反映したあとで明確な優位は確認できませんでした。

勝率だけで判断しない方がいい理由

窓埋めの話は「当たるかどうか」に目が向きやすいですが、採用前には勝率だけでなく、平均損益やPF(総利益÷総損失で見る指標)も一緒に見たいです。

方向回数平均p値勝率PF中央値
買い(下窓を戻り狙いで買う)169-3.05 pips0.105348.5%0.70-1.60 pips
売り(上窓を戻り狙いで売る)286+0.32 pips0.786149.3%1.050.00 pips

売り側はPFが 1.05 と1を少し上回っていますが、中央値は 0.00 pips で、p値も大きく、余裕のある手法とは言いにくいです。買い側はPFが 0.70 で、平均も中央値もマイナスでした。

しかも今回は個別の損切りや利確を置かず、24本後に固定で出る見方です。1回の最悪値は買いで -127.10 pips、売りで -62.90 pips まで振れています。ルールの細部を変えれば結果も変わりえます。

みか

みか

売り側は平均が少しプラスでも、これだけで使えるとは言えないんだ。

るなまる

るなまる

はい。勝率、PF、中央値、1回の損失幅まで見ると、余裕のある手法とは言いにくいです。固定0.5pipsを入れた段階でこの薄さなら、実運用ではさらに厳しくなりやすいです。

たくや

たくや

勝率だけ見て飛びつくと、思っていたより残らない理由が分かってきました。

トレードに使う前に確認したいポイント

  • まず窓の定義を確認する。何pips以上を窓と見たのかで回数も結果も変わります。
  • いつ入って、いつ出るかを見る。今回は次の5分足で入り、24本後に出る固定条件です。
  • 勝率だけでなく、平均損益・PF・中央値も見る。見かけの当たりやすさだけでは判断しにくいです。
  • コスト込みで残るかを見る。固定0.5pipsで薄いなら、変動コストではさらに崩れやすくなります。
  • 別の期間や別の通貨でも似た形になるかを見る。今回も参考通貨では強い裏づけは出ませんでした。

この検証結果を見るときの注意点

今回見たのは、月曜朝の窓を逆張りしたあとに、平均で何pips残ったかです。窓が何%埋まったかは今回の公開数値には含めていません。

また、分析対象にできた月曜 00:00 の週は 565週 で、そのうち窓の条件にかからなかった週が 110週 ありました。祝日や休場で月曜の始値自体が取りにくい週も 9週 あります。

固定0.5pipsは反映していますが、変動スプレッド、滑り、手数料、約定拒否は再現していません。したがって、この結果だけで将来の利益を保証することもできません。

今回の検証で見たものと見ていないものを整理した図
図4: 今回見たのは『逆張り後の平均損益』です。窓埋め率は今回の公開数値には含めていません。

FAQ

Q. 月曜の窓が埋まりやすいなら、そのまま逆張りで勝てますか?

A. 今回のドル円データでは、単純な逆張りで明確な優位は確認できませんでした。窓ができることと、利益が平均で残ることは別です。

Q. 今回の記事は窓埋め率を出していますか?

A. 出していません。今回は窓を逆張りしたあとの平均損益、回数、p値、勝率、PFを見ています。

Q. コストは入っていますか?

A. 固定0.5pipsを約定価格に反映しています。ただし、変動スプレッド、滑り、手数料、約定拒否は再現していません。

Q. この結果だけで将来の利益まで判断できますか?

A. できません。定義や出口を変えれば結果は変わりえますし、実運用ではコスト条件ももっと厳しくなります。

まとめ|窓埋めも数字で確認する

ドル円M5の820,078バーで確認した今回の結果では、月曜朝の窓を単純に逆張りしても、平均で残る優位は確認できませんでした。

月曜朝の窓は分かりやすい現象ですが、窓があることと、売買で勝てることは別です。気になる通説ほど、平均損益、PF、コスト、出口を数字で確かめてから使いたいです。

たくや

たくや

次に月曜の窓を見るときは、まず条件と出口を確認します。

みか

みか

『よく戻るらしい』だけじゃなくて、平均損益やPFまで見るようにするね。

るなまる

るなまる

その見方ができれば十分です。通説を否定するより先に、数字で確かめてから使う癖をつければ振り回されにくくなります。

関連する検証

月曜朝の取引コストも確認したい場合は、時間帯別スプレッドの実測結果も参考になります。

この記事を書いた人

るなまる

るなまる|データアナリスト

Python・統計を使ったFXの検証を2018年から継続。長期ヒストリカルデータをもとに、相場でよく聞く説やバックテスト結果を検証しています。
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