FXのスプレッドは何時に広がる?主要時間帯を実測データで検証

主要8銘柄の24時間×時間帯スプレッドのヒートマップ。どの銘柄もUTC21-22時(日本時間6-7時)前後で広くなり、ロンドン・NY重複帯で狭くなることを示す図 FX初心者ガイド
24時間×8銘柄スプレッド・ヒートマップ(UTC/日本時間併記)
みか

みか

スプレッドって、いつ見てもだいたい同じだと思ってた。時間帯でそんなに変わるの?

たくや

たくや

早朝に入ったときだけ、思ったより不利な価格で始まる感じはありました。

るなまる

るなまる

今回は感覚ではなく、主要8銘柄・約1,924万本の1分足データで、どの時間帯に広がりやすいかを確認しました。

先に結論

  • 主要8銘柄を比べると、スプレッドはいつも一定ではありません。
  • 約1,924万本の1分足データでは、UTC21〜22時(日本時間6〜7時)前後に広がりやすい傾向が出ました。
  • 同じ手法でも、広い時間帯に入るだけで不利になりやすいので、時間帯の確認はコスト管理そのものです。

対象銘柄

主要8銘柄

サンプル数

約1,924万本

広がりやすい時間

UTC21〜22時 日本時間6〜7時前後

FXのスプレッドは時間帯で変わる

スプレッドは、買う価格と売る価格の差です。広いほど、エントリーした瞬間の不利が大きくなります。

単位のpips(ピップス)は、FXで値幅を表す単位です。ドル円なら、おおむね0.01円が1pipsです。

この差は固定ではありません。取引参加者が多い時間帯は狭くなりやすく、参加者が少ない時間帯は広がりやすくなります。つまり、スプレッドは「いつ入るか」で変わるコストです。

スプレッドが広がると何が不利になる?

スプレッドが広い時間に入ると、同じルールでもスタート地点が不利になります。短期売買やEA(自動売買)のように、数pipsの差が効きやすい売買ほど影響を受けやすくなります。

たとえば、普段は狭い銘柄でも、早朝だけ一気に広がることがあります。平均だけ見て安心すると、その一時的な広がりを見落としやすくなります。

特に影響を受けやすいケース

  • 成行でそのまま入る短期売買
  • 利確幅や損切り幅が小さいEA
  • 早朝やロールオーバー前後に注文が重なる売買

今回の検証条件

対象銘柄USDJPY / AUDJPY / GBPJPY / EURJPY / EURGBP / EURUSD / GBPUSD / XAUUSD
対象期間全体では 2015-01-01 22:00:00+00:00 〜 2026-03-31 23:59:00+00:00。銘柄ごとに開始・終了は少し異なります。
データソースDukascopy由来の買値・売値ベースの1分足データ
集計粒度M1(1分足)
タイムゾーンUTC(本文では日本時間も併記)
スプレッドの計算方法1分足データに含まれる平均スプレッド値を、銘柄ごとのpipsへ換算して集計
スプレッドの単位pips。JPY系は0.01、EURUSDなどは0.0001、XAUUSDは0.1を1pipとして換算
対象サンプル数19,243,317行
欠損データの扱い数値として読めない行は集計から除外
異常値の扱い上限で切らず、そのまま残して最大値にも反映
たくや

たくや

つまり、ニュースの話ではなく、普段の時間帯の違いを見た集計なんですね。

るなまる

るなまる

はい。『何時に入りやすいか』を見るために、1分ごとのデータを時間帯別にまとめています。

スプレッドが広がりやすい時間帯はいつ?

8銘柄を並べると、UTC21〜22時(日本時間6〜7時)前後で広がりやすい銘柄が多くなりました。ニューヨーク市場の終了前後で取引参加者が減りやすく、日付の切り替え処理(ロールオーバー)も重なる時間帯です。

冒頭のヒートマップでも、早朝側で色が濃くなっているのが分かります。代表例を見ると、USDJPYは UTC21時で平均3.18pips、UTC22時で2.05pips。GBPJPYは UTC21時で平均10.01pips、UTC22時で6.84pipsでした。反対に、ロンドンとニューヨークが重なる時間帯は比較的狭くなっています。

銘柄ごとの広がりやすい時間と狭めの時間

  • EURUSD:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均1.63pips)、比較的狭いのは UTC15時(日本時間0時前後) (平均0.30pips)
  • USDJPY:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均3.18pips)、比較的狭いのは UTC15時(日本時間0時前後) (平均0.48pips)
  • EURJPY:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均3.43pips)、比較的狭いのは UTC15時(日本時間0時前後) (平均0.68pips)
  • AUDJPY:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均5.15pips)、比較的狭いのは UTC11時(日本時間20時前後) (平均0.72pips)
  • GBPUSD:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均3.86pips)、比較的狭いのは UTC14時(日本時間23時前後) (平均0.84pips)
  • EURGBP:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均4.12pips)、比較的狭いのは UTC14時(日本時間23時前後) (平均0.87pips)
  • GBPJPY:広がりやすいのは UTC21時(日本時間6時前後) (平均10.01pips)、比較的狭いのは UTC11時(日本時間20時前後) (平均1.83pips)
  • XAUUSD:広がりやすいのは UTC22時(日本時間7時前後) (平均4.47pips)、比較的狭いのは UTC15時(日本時間0時前後) (平均3.23pips)

平均だけでなく上位値を見る理由

平均だけを見ると、『だいたいこのくらい』は分かります。でも、急に広がる時間帯の怖さは平均だけでは見えません。そこで、中央値(真ん中の値)上位5%水準最大値も確認します。

主要8銘柄の平均スプレッド比較。EURUSDやUSDJPYは狭く、GBPJPYやXAUUSDは広いことを示す図。
全期間の平均スプレッド比較。平均だけでは急な拡大までは見えないため、本文では中央値・上位5%水準・最大値もあわせて見ます。

平均・中央値・上位5%水準・最大値

  • EURUSD:平均 0.42 / 中央値 0.30 / 上位5%水準 0.77 / 最大 33.12 pips
  • USDJPY:平均 0.70 / 中央値 0.52 / 上位5%水準 1.28 / 最大 53.70 pips
  • EURJPY:平均 0.94 / 中央値 0.68 / 上位5%水準 1.82 / 最大 49.95 pips
  • AUDJPY:平均 1.06 / 中央値 0.75 / 上位5%水準 1.96 / 最大 60.80 pips
  • GBPUSD:平均 1.16 / 中央値 0.90 / 上位5%水準 2.21 / 最大 39.60 pips
  • EURGBP:平均 1.19 / 中央値 0.89 / 上位5%水準 2.35 / 最大 35.00 pips
  • GBPJPY:平均 2.53 / 中央値 1.90 / 上位5%水準 4.64 / 最大 96.40 pips
  • XAUUSD:平均 3.43 / 中央値 3.19 / 上位5%水準 5.17 / 最大 146.44 pips

たとえばUSDJPYの平均は0.70pipsですが、上位5%水準は1.28pips、最大は53.70pipsでした。普段は狭くても、まれに大きく広がる場面があると分かります。EAや短期売買では、この『たまに大きく広がる』部分も無視しにくいです。

みか

みか

平均が低いから安心、では終われないんだね。

るなまる

るなまる

そうです。普段の広さは平均や中央値、急な広がりは上位5%や最大値で見ると、コストのクセがつかみやすくなります。

トレード前に確認したいポイント

この記事を読んだあとに確認したいのは、勝てる時間探しではなく、不利なコストを避けられるかです。

まず確認したいこと

  • 早朝や流動性が薄い時間帯の成行エントリーを避けられるか
  • 平均だけでなく、上位5%水準や最大値も許容できるか
  • 自分が使う口座でも、実際に広がり方が近いか
  • EAや短期売買なら、スプレッド拡大を停止条件に入れるか

自分の想定コストをざっくり試算したい場合は、スプレッドコスト計算ツールが使えます。実際のスプレッド表示の見方は、サイト内の解説もあわせて確認できます。

曜日によるスプレッドの違いも確認したい方は、曜日別スプレッドの検証もあわせてご覧ください。

実際のスプレッドは口座条件でも変わります。この記事の集計と合わせて、自分が使う口座の取引条件も確認しておくと、想定と実際のズレを減らしやすくなります。

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曜日・時間帯別の値幅も確認する

スプレッドが広がりやすい時間を避ける確認に加えて、通貨ペア別・曜日別・時間帯別の値幅を見比べたい場合は、MT5上のヒートマップで確認できます。

※この項目には広告リンクが含まれます。最新の仕様・利用条件はリンク先で確認してください。

ボラティリティヒートマップの表示内容を確認する

自分の取引回数でスプレッドコストを計算する

口座条件や取引ルールは変更されることがあります。最新情報は公式ページで確認してください。

この検証結果を見るときの注意点

今回の数字は、Dukascopy由来の1分足データをもとにした集計です。すべての口座で同じスプレッドになることを保証するものではありません。

また、ここで見ているのは時間帯ごとのスプレッド傾向です。滑り、約定拒否、手数料、個別のニュース発表直後の一時的な荒れ方までは再現していません。

最大値には、まれな急拡大もそのまま含めています。だからこそ、平均だけでなく上位5%水準や最大値も見ておく意味があります。

FAQ

Q. スプレッドは何時が一番広いですか?

今回の集計では、UTC21〜22時(日本時間6〜7時)前後に広がりやすい銘柄が多くなりました。

Q. 一番狭いのはいつですか?

ロンドンとニューヨークが重なる時間帯、特に UTC14〜15時(日本時間23〜24時前後)で比較的狭い銘柄が多くなりました。

Q. 平均だけ見れば十分ですか?

十分ではありません。普段の広さは平均や中央値で見やすい一方、急な広がりは上位5%水準や最大値を見ないとつかみにくいです。

Q. この数字はどの口座でも同じですか?

同じとは限りません。この記事の数字は、特定のヒストリカルデータをもとにした集計結果です。自分の口座でも実際のスプレッドを確認してください。

Q. EAでも気にしたほうがいいですか?

はい。利確幅や損切り幅が小さいEAほど、スプレッド拡大の影響を受けやすくなります。EAの時間帯条件や停止条件を検討する材料になります。

まとめ|スプレッドが広がりやすい時間帯を確認する

スプレッドは固定ではなく、時間帯と銘柄でかなり変わります。今回の集計では、UTC21〜22時(日本時間6〜7時)前後で広がりやすく、ロンドン・ニューヨーク重複帯では比較的狭い傾向が見えました。

勝ち負けを当てる話ではなく、不利なコストを避ける話です。エントリー前に『いまは広がりやすい時間か』『自分の口座でも同じ傾向か』を確認するだけでも、無駄な不利を減らしやすくなります。

たくや

たくや

これからは、チャートだけじゃなく時間帯も見ます。

みか

みか

朝に広がりやすいって知ってるだけでも、むやみに入りにくくなるね。

るなまる

るなまる

その一歩で十分です。まずは、利用中の口座でも同じ時間帯にスプレッドが広がるか確認してみてください。

この結果をトレード前の確認に使う

この記事で見えたのは、スプレッドが広がりやすいのが「いつ」かです。実際に活かすなら、普段触る通貨ペアとロットで、その時間帯にどれくらい不利になりやすいかを先に試算しておくと判断しやすくなります。

当サイトのスプレッドコスト計算ツールなら、想定する回数やpips差をざっくり数字で確認できます。朝方やロールオーバー前後を避けるだけで十分かを整理したいときの確認用に使えます。

自作ツールでスプレッドコストを確認する

るなまるの検証メモ

主要8銘柄の1分足約1,924万本を使い、時間帯別の平均、中央値、上位5%水準、最大値を集計しました。

スプレッドが広がりやすい時間を把握するための検証であり、避けるだけで損失が減ることを検証したものではありません。EAの時間帯条件や停止条件を検討する材料として読んでください。

次に読む記事

通貨ペアによってコストがどれだけ違うかを知りたい方は、8銘柄のスプレッド差をまとめた比較記事も参考になります。

データソースによって結果がどう変わるかを見たい方は、バックテストはデータソースでどこまで変わるかを見た記事もあわせてご覧ください。

普段の値動きの大きさも知っておきたい方は、ドル円の普段の値幅を30分足ATRで見た記事もどうぞ。

この記事を書いた人

るなまる

るなまる|データアナリスト

Python・統計を使ったFXの検証を2018年から継続。長期ヒストリカルデータをもとに、相場でよく聞く説やバックテスト結果を検証しています。
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